家具の仕上げ方

以前、チーク材のことに触れたとき少し仕上げの塗装に付いて書きましたが、木製家具は殆ど全て仕上げがされています。

仕上げがない家具というのを見たことが無いくらいです。業界用語では塗りともいいます。

北欧系家具や北欧インテリアでも通常通り、なんらかの処理が施された後に販売店や消費者の元に届きます。もちろんヴィンテージものの様に最初からダメージを付けているものであっても、通常は保護の仕上げはされています。

ウレタン仕上げ

名前どおりポリウレタンでの塗装になりまして、樹脂ですので、塗膜が丈夫であることが特徴です。汚れや、摩擦に強く塗りを重ねることにより

より堅牢な塗膜を作ることが可能となります。(余り重ねると光って(テカテカする)しまうことが弱点です)最後の塗りでは、その弱点であるものを、艶消し(つや)という作業により殆ど無くすことも可能です。

また、最近の塗りの流行は艶を消してややマットに仕上げつつ薄く塗り天然木の良さを引き立たせるものが多いです。もちろん塗膜はその分弱くなり、ウレタン塗装の割には傷が付き易くなることもあります。

艶の出し方は、それぞれで、北欧系の家具でしたら艶消し70%くらいでナチュラル感を重視します。日本で昔あったケヤキや栓の家具などは厚塗りで、かなり光る(テカる)ものが多かったです。

今は細かく10段階以上分けての艶消しをすることが可能です。(六分消し等)また、ウレタンを塗りながらも木の導管や木目を感じることが出来るものが主流です。

弱点としましては、ウレタン塗装で無垢材の場合、削ることにより白く濁ることです。(塗装を完全に取るならサンドペーパーで根気よく続けると取れますが、テクニックが必要となります。)

突板は削れば下が出てくるため削れません。

スポンサーリンク



ウレタンオイル仕上げ

ウレタン樹脂を使って強固な塗膜を作りながら見掛けがオイル仕上げのように見えるという贅沢な仕上げです。まだまだ、業界では採用しているところが少ないのですが、高級感もあり手入れも楽なので非常にお勧めです。

雑貨にも使われることもよくあります。殆どウレタン塗装に劣るところは無く、やや塗膜が弱い程度の差です。オイルフィニッシュの雰囲気は好きだけど、手入れが面倒くさいと感じられてるかには、お勧めの塗料です。

一番、危惧されるのことが匂いである方もいらっしゃると思いますが、臭いも殆ど無臭です。

まだ、一般的な家具には多く使用されてはいませんが、オイル仕上げの様なのにウレタン塗装などのキャッチフレーズなどはウレタンオイル塗装だと思われます。(もしくは近いもの)

ラッカー仕上げ

ニトロセルロースをメインにした樹脂を液体状にして木製品に塗る事を意味します。ラッカー仕上げはウレタン塗装よりは安価な家具に多く、ウレタンよりは変色しやすいと言われています。

しかし、基本的には無色透明ですので、木製品の持つ色の深みを出すことにより高級感が出る場合も多々あります。

他の仕上げに比べますと比較的、光りやすい性質があり少し艶っぽくなる傾向があります。

一番よく目にしている仕上げなのかも知れません。

オイル塗装

ある意味高級材にしか難しい塗装になるのかも知れませんが、お手入れが好きな人に合っている塗装方法でしょう。もちろん、オイル塗装からでる雰囲気は抜群のものでして、色合いなども

木が持っている良い部分を引き出すこともあります。年に何度も塗布することにより、木材は反りりにくくなったりしますが揮発性も高いため、

手入れをサボってしまうと無塗装に近い状態になり、冬場などは木材に割れが生じたりすることもあります。

それであっても木材と触れ合う機会や家具の構造を知れる機会が塗布のたびにありますので、好まれる塗装方法の一つです。

今はウレタンなのにオイル仕上げに似ているというものも稀にありますので「ウレタンオイル塗装」、価格が落ち着けばそちらに移行していくのかも知れません。

また、自分で塗装をするのならオイル塗装が塗装方法としては簡単ですので、お勧めの塗装方法です。

但し、突板や合板、家具用の木材での使用は、酷い目に遭うこともありますので、しっかりと自分の持っている木(家具)が何かを見極めてから

塗装を施して下さい。オイル塗装は無垢材向きの塗装方法で、北欧家具では主流の一翼をになっている塗装方法です。

スポンサーリンク



無塗装

一般的には殆どありませんが、自分で作った家具や塗装工場に出さずに販売されている一部家具に存在はします。

素直な発色で家具として使うのには問題が無いことも多いのですが、水を溢してしまったり、家具の上や中に何かを置く場合は問題が生じやすいです。

水は溢せば普通は染み込みますし、家具の上に物を置けば木材に皮膜がないため、傷が付きやすいというのも事実です。

利点は塗装を使っていない分、樹脂を溶かす際に使う独特の嫌な匂いが無いことや木材自体に変に加工されていない限りフォースター以上になり易いことです。

塗装無しは利点よりは欠点が多いことが多いため、多くの場合は簡単にできそうなオイル仕上げにしてしまうのが一番いいのかも知れません。