突き板、突板、無垢簡単に分かる写真と図解

 

突板とは

 一般的に家具の業界では突板と使う場合が多いのですが、業界の方以外には馴染みの無い言葉で、理解するまでに少し時間の掛かる言葉だと思います。
大体これを見せられて突き板だと言われるのですが、どうも分かり難い印象があります。
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もちろん沢山の家具を見ているうちに、あ~これが突板かぁって思う場面に出会うのですが、大抵は皮肉にも家具が破損した時や傷をつけてしまった時に突板部分を見ることになります。
実際、このサイトでも何度か突板について写真付きで説明をしているのですが、まだまだ説明不足だと感じています。

おそらく、上の写真を見ながら、表面が本物の木でと説明されると、合板部分まで表面の木だと思ってしまうのではないでしょうか。そこが罠?なのかも知れません。
突板は一度書いていますように0.2mm-0.5mm程度ですので基本見えないレベルに薄いはずなのです。
上部にある色の違う部分は既に合板であることを説明したくて下記の図を描きました。

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実際、突き板のサイドに無垢が施されることは天板にはよくあり、サイドが無垢であるだけでも高級感は増します。
ウォールナットの場合は高級材ですので、サイドに無垢を使ってない事もありますが図では無垢をあしらっている状態を描きました。
上図のコンパネといいますのは、ラワン材といいまして安価な材木を厚く使います。通常12mm程度が多いです。
平均0.3-5mm程度の突板の下に合板と呼ばれるラワン材より、少し良い材を使いラワン材を間に挟み、最後に普通の合板で挟み込むのが一般的です。

天板の端に無垢がある場合は、接着を強くするため指が絡まっているように繋ぎ合わせます。それでも、強い衝撃や経年変化により無垢部分が取れてしまうこともあります。
しかし、サイドが無垢なので見た目の高級感はあります。無垢と突き板の違いの定義は若干難しく、厚い突板が無垢と言われる場合もあります。
2-3mmの厚みがあれば小口(サイド部分)無垢といわれることは結構普通にあります。もちろん3mmあればその家具の高級感は増します。

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突板の利点を挙げますと、

1.インテリアを軽量化出来る可能性があること。

2.コストを抑えながら天然木を楽しむことが出来ること。

3.無垢ほど反らないので手入れが楽であること。

4.1本の木から良く似た杢目を取れますので資源を無駄にしないこと。

5.異素材と組み合わせることが容易であること。

などが主な利点となります。

天然木を楽しむという意味では突板でも充分にその味わいを楽しむことが出来ます。

突板によりチーク材やウォールナット材のインテリアを安価で入手できるとも言えるでしょう。

近年の日本のシート技術の発展は目覚ましく、強化紙には同じものを作りやすいなどのメリットもありますが、
無垢や突板が持つ天然素材独特との風合いという意味では少し寂しいものがあります。